Before Building家づくりの前に

Point 5本当に体に優しい建材の話

どんな建材を使って家を建てるかによって、その中で生活する住環境が圧倒的に変わります。
健康面に影響があることはもちろんのこと、家自体の経年変化の様子にも明らかな違いが出てくるのです。

家の中に居ると頭痛やめまい、吐き気がするが、家から外に出るとその症状は改善されるシックハウス症候群。その原因は建材に含まれる化学物質です。2003年に日本でも、ようやく家を建てる際に使用する建材の規制が出来ましたが、規制されている化学物質は2種類のみ。EUに加盟している国では69種類(ドイツでは166種類、フランスでは216種類)もあるのです。
今建てられている日本基準の建物は、EUに加盟している国では建てることの出来ない違法建築ということになります。日本の基準の低さが分かり、本当に安全な家なのか不安になりますね。

化学物質が体に悪いということは、誰もが分かっていると思います。それでも、化学物質によって作られた建材を選択してしまうのはなぜでしょう。
皆さんの家族、子どもを守ることができるのは、家を建てる皆さんしかいません。せっかく家を建てるのですから、ぜひ建材にも目を向けて真剣に選んでください。

以前南フランスのコンクという町で、築250年の一般住宅を見学させてもらう機会がありました。その家の壁は、なんと250年前に塗られた漆喰がそのまま残っていたのです。
化学物質の入っていない天然の素材は持ちがよく、経年変化も味として楽しめたり、修繕が自分たちの手でできるなど、家を建ててからのランニングコストに関してもお得だという利点があります。家を建てるときは目先のコストだけではなく、トータルで考えてみましょう。

体に害のない建材を選ぶときの注意点

「無垢材」に関して
昨今、住宅によく使用されている合板のフローリングは、薄くスライスした板と板を化学物質の入った接着剤でくっつけて形成しているので、体に良いとは言えません。
一方、無垢材は一枚の板から出来ているので、化学物質を使用しない、体に害のない建材と言えます。
しかし、その無垢材が海外から輸入される際に防腐剤をまかれていれば、それは安全な建材ではなくなります。使用する建材を選ぶ際には、住宅会社の担当者に「この建材の産地はどこで、どのように運ばれてきましたか?」と質問してみましょう。それに答えてもらえない建材は安全とは言えません。ちゃんと、トレーサビリティーの取れた建材を選びましょう。
原材料が何かを見極める
塗り壁材として漆喰に勝るものはありません。
漆喰は石灰石から出来ていて、壁に塗りつけてから、ゆっくりと二酸化炭素と化学反応を起こし、石灰石に戻ろうとします。その過程で、100年、200年と強度を増していくのです。
他にも自然素材とうたわれている塗り壁材に、珪藻土やシラスがありますが、それらは海底の泥だったりシラス台地から採れたシラスなので、自然の状態だと壁に塗った後にパラパラと落ちてきてしまいます。そうならないために、接着剤が使われていたりするのです。
原材料が何かを知ると、矛盾にも気づくはずです。

家一棟造るのに使われる接着剤は、ドラム缶1本分と言われています。

化学物質まみれの、根拠のない建材に騙されないでください。

せっかく家を建てるのですから、大切な子どもたちを苦しめない環境を選んでください。